「あ、初めまして・・・ です。」
「俺は丸井 ブン太。よろしくな!」
えーっと・・・?何でこうなったんだ?
あぁ、そうだ。ジローちゃん。ジローちゃんが会わせたい人がいるって言って・・・付いてきたら。
立海大付属の丸井くん?だった。
たしかジローちゃんが憧れてるって言ってた人だ。
いや、だからって神奈川まで来ることないと思うんだけどね?
「あのねー、丸井くん。ちゃんはうちの部活のマネージャーなんだよ。」
「何となくわかったけどな。跡部の世話とか大変だろぃ?」
「せ、世話・・・。まぁ、大変だけど楽しい・・・ですね。」
「敬語なんか使わなくて良いぜ?タメなんだし。」
「ありがと!もしかしてジローちゃんからいろいろ聞いてたりする?」
「結構な。まぁ、跡部の俺様ぶりとかが多いか?」
「だって、跡部ってば面白いC〜」
確かに跡部は面白いよね。
私もよく笑いが止まらない症状に見舞われる・・・。
そして、その後は結構長い間3人で喋って、有意義な時間が過ごせた。
その日はブン太とメアドを交換して、ジローちゃんと一緒に帰った。(知らないうちにお互い名前で呼び合ってたんだよね)
「跡部、おはよう。」
「アーン?あぁ、か。」
「もうちょっとまともな挨拶できないの?」
「ハンッ。俺様はしなくても良いんだよ。」
「あーはいはい、そうですねー。俺様、何様、跡部様だもんねー。」
「アーン?嫌味か?それは。」
「・・・さぁ?」
「あ、ちゃーん!!」
「うわっ。ジローちゃんどうしたの!?」
私が跡部で遊んでたらジローちゃんが飛びついてきた。
・・・なんか日常茶飯事になってきた。
「あのねぇ、丸井くんがまた休みがあればちゃんと会いたいって!」
「私もブン太とまた会いたいな!結構話合うよねー!!」
「うんうん!また3人で会いたいね。」
「ねぇ、跡部。次の休みっていつ!?」
「・・・確か次は水曜日、俺様の生徒会の仕事があったり他の奴の委員会が重なったりでOffだったはずだ。」
「水曜日だったら、授業も早くおわるじゃん!!ブン太が暇か電話しよ!」
「ちゃん、委員会入ってなかったもんねぇ。」
「うん!ジローちゃんは入ってたっけ?」
「保健委員だよー。水曜日は委員会があるんだー・・・。」
「あ、じゃあ・・・会うのはまた今度の方が良いかな?」
そういえばジローちゃん保健委員だったね。
よく授業サボッて(あ、チャイムに気づいてないだけかも。)保健室のベッドで寝てるね。
いつもジローちゃんを探すのは樺地か私だから、大抵の場所はわかるけど、最近はベッドが多い。
「んー・・・丸井くんも会いたがってるから2人でも良いと思うんだけどなぁ。」
「そう?まぁ、ブン太に聞かないことには始まらないんだけどね。」
「あ、そうだねぇ。」
と、いうことで電話してみる。
ワンコール、ツーコール、あ、出た。
「もしもし、ブン太?だけど・・・。」
「か。どうした?」
「あのね、氷帝は次の水曜日部活が休みで暇なんだけど、立海はどうかな、って。」
「奇遇だな!こっちも丁度休みだぜぃ!俺と仁王以外の3年がみんな委員会でいねぇんだ。」
「マジで!?こっちも同じだよー。レギュラー陣+正マネージャーで委員会入ってない人少ないんだぁ。」
「じゃあ、また会わねーか?今度は俺がそっちに行くぜぃ。」
「本当!?じゃあ、駅で待ってるね。あ、ジローちゃんは委員会で行けないって。」
「そうか。は良いのか?」
「へ?何が?」
「そ、そのー・・・お、男と二人きりで会う、って・・・。」
「ブン太、あんたカワイイよ!!」
「はぁ!?のこと心配してやってんのに、その言い方はねぇだろぃ!?」
「アハハ、ごめん!でも、心配しないで!でも、ブン太とだったら誤解とかされても良いかもね?」
「な!?ば、バカじゃねぇの!?」
「じょ、冗談だって!!」
あ、あれぇ!?私なんであんなこと言ったんだろう?
ブン太は普通に友達・・・でしょ?
誤解されても・・・って・・・。え?えぇぇぇ!?
「まぁ、水曜日は駅で待ってろよ?」
「了解!じゃあ、またね。」
「丸井くん、何だって?」
「水曜日、立海も部活ないんだって!それで、今度はブン太がこっちに来てくれるって。」
「そっかぁ!委員会終わったら行っても良い?あの駅前の喫茶店でしょ〜?」
「うん、来て来て!」
そういう会話をして、その日は家に帰った。
でもその日は、私がブン太に言ったあの一言がずっと引っかかっていた・・・。
ほんと、おかしいよね・・・?
そして、待ちに待った水曜日!
その日の授業は楽なのばっかりだったし、本当に最高!
「じゃあ、ジローちゃん、行って来るね!委員会頑張って!」
「うん、頑張るC〜!!」
そうして私は鼻歌交じりで駅前まで行く。
ブン太は何時くらいにこっちに着くかな・・・?
あ、もう居た。早かったね。
「ブン太!」
「おう、。」
「早かったねぇ!結構待った・・・?」
「そうでもないぜぃ?さっき来たばっかり。」
ああー・・・こんな会話ってすごい恋人っぽいよね・・・!?
周りから見たら恋人同士に見えたりしてるのかな!?
う、うわ〜・・・何か変に意識してきた・・・!
「あ、そこの喫茶店だよ!ケーキがすっごくおいしいからブン太にもオススメ!」
「マジで!?それ、最高じゃねぇかぃ!」
「でしょ!ジローちゃんと見つけたんだ。」
「二人でよくココに来るのか?」
「うん、結構来るかな。でもがっくんとか忍足とか跡部とか、テニス部みんなで来るときもあるよ!」
「なぁ、。」
「ん?どうしたの?」
真剣なブン太の目。
私、何かしたっけ・・・!?え、どうしよう。ブン太、怒ってる!?
そう考えてると、しばらく沈黙が続いた。
喫茶店には落ち着いたクラッシック音楽と店の外から聞こえてくる人の足音、話声だけになった。
その時間が何分続いただろう?
私も口を開けず、ずっとブン太の目を見ていた。
ブン太も何か言いたげだったけど、言えないでずっと私の目をみていた。
そして、先に口を開いたのは、ブン太だった。
「。言いたいことがあるんだけどよ。」
「うん。」
「に会いたいって言ったの、俺からなんだぜぃ?」
「え・・・!?そうだったの!?てっきりジローちゃんが会わせたいっていってるんだと思ってた・・・。」
「いろいろ聞いてて、どんどん興味湧いてったんだよな。」
「そんで実際会って、もっと知りたいって思った。」
「そ、れって・・・。」
「好きだぜぃ?。」
「ブン太・・・!」
「天才的な告白だろぃ?」
「うん・・・!私も、ブン太が好き。」
「ケーキ、食べちまおうぜぃ?」
「そうだね!私のオススメはショートケーキなんだよ。」
初めて会ったのは最近でも、それより前からお互いを知ってたんだね。
ありがとう、ジローちゃん!ブン太と出会わせてくれて!
ジローちゃんは本当に本当に天使だね。
これからよろしくね、ブン太!大好きだよ!
気づけば、好きだった