「う〜・・・寒っ!ねえ、麓介は寒くないの?ブラウスだけじゃん。」
「いや、俺下にヒート○ック着てっから。」
「あ、それヒートテッ○だったんだ・・・。」
「てか、はそんだけ着てて暑くねえの?」
「いやいや、麓介さん?もう11月だよ?これくらいが普通だって!」
さっきからヒー○テックとか話してる私達。これでも付き合って半年になる。でも、今のところカップルらしいことは何1つしてない。まあ、麓介はすごいモテるから他の女子が”常に”と言っていいくらいまとわりついてる。私はもうそれに慣れてきてしまった。そりゃあ、つまんないっちゃあ、つまんないけど、一番大変なのは麓介だもんね。そんな中でもこうして一緒に帰ってくれるだけで幸せだったりするんだよね。(あ、でもデートはしたいです、麓介さん。)
「なあ、。」
「なあに?」
「今度の日曜日空けとけよ。じゃ。」
「え、あ・・・ちょ、麓介っ!!」
も、もぉ〜・・・ほんっと反則!!言い逃げはなしでしょ。しかも顔真っ赤・・・だったし。(私は現在進行形で真っ赤ですけども!)でも・・・日曜日はデートできるんだ・・・!付き合って半年にして初デート!何かすごく緊張してきた・・・。
そしてその日の夜、麓介から電話があって、日曜日は駅前に朝10:00という何ともお決まりな待ち合わせとなった。あ、服とか決めなきゃ・・・!デートなんて人生初だから、友達のなっちゃんにも相談した。(藤に任せな。の一言だったけど・・・。)
「は、早く着きすぎちゃった・・・。まだ20分も前だ・・・。」
「?お前早えーな。まだ20分前だぜ?」
「麓介・・・!お、おはよう。」
「お、おう。」
麓介の私服は本当にかっこよかった。どっかのモデルよりもかっこよくって・・・。正直目のやり場に困った。一人でテンパッてると、麓介が行くぞって言って・・・・・・手、手を繋いできた!!その繋ぎ方はカップルがするもので。ドキドキしたけど、しばらくするとやっと落ち着いてきた。私達が向かったのは水族館。久しぶりの水族館に私のテンションはもう、MAXだ。
「麓介!ペンギン泳いでる!かわいい〜・・・!」
「はしゃぎすぎだろ。」
「あ、向こうはえびだ〜。麓介がいつも食べてるやつかな〜?」
麓介はなんだかんだ言って私についてきてくれた。そして、しばらく見て回った後、お昼は水族館内のレストランに入った。魚を見たばからだったから、なんとなく魚を食べるのは気がひけて、2人とも無難なハンバーグランチを頼んだ。
水族館を一通り見て回ったあと、私の希望でプリクラを撮りに駅の近くのショッピングモールに行った。麓介は「めんどくせぇ」とか言いつつもプリクラを撮ることをOKしてくれた。
「へえー・・・中こうなってんだな。俺、プリクラ撮るの初めてだ。」
「そうなの?アシタバくんとか美作くんと撮りに来たりしてるかと思った。」
「いや、あいつ等と撮りに来るのとか気持ち悪いだろ。」
酷っ!麓介・・・それは失礼でしょ!とか思いつつも何も言えない私。とにかく、お金を入れて撮影開始!撮影中は保健室での話をしながら撮ったりして、時間はあっという間に過ぎていった。落書きは6分の5は私がやった。(だって麓介めんどくさいって言うし。)その1枚を見る余裕はなかったから、印刷が終わるのを今か今かと待っていると、突然麓介が何か飲み物買って来て、というからしょうがなく近くの自販機へ。お茶を買って戻るとプリクラの半分を渡された。
「これ、ケータイに貼っとけよ。俺もう貼ったし。」
ほら、と言って見せられた麓介のケータイには、麓介が落書きしたプリクラが貼ってあった。よく見ると、そこには大きく矢印と”俺の”という文字が。見た瞬間、思わず赤面してしまう。麓介の顔を見ると、ニヤッと笑う。(バカ バカ バカ!)麓介が早く、と急かすから私は諦めて自分のケータイにそのプリクラを貼った。
「これ、他の子に見られたら私殺されちゃうかも・・・。」
「・・・何で?」
「他の子が嫉妬するじゃん。今もされてるのに。」
「ほっとけよ。俺はが良いんだし。」
サラッとそういうことを言っちゃうのが麓介のすごいところだと思う。私はそれに「ありがとう」と一言返すのに必死だった。普段は家まで送ってくれないのに、今日は送ってくとか言ってくれるし。(何かいつもより優しいなー・・・なんて。)もう人生が今日の繰り返しでも良いって思えるくらいに幸せだよ、本当に。もうじき家に着いちゃう・・・。
「麓介、今日はありがとね!本当楽しかった!」
「ん。俺も楽しかったし。」
「また2人でどっか行こうね。」
「当たり前。」
そう言って、少し屈んだかと思ったら、ふわっと麓介の匂いがして、唇に柔らかい感触が。一瞬何が起きたのかわからなかったけど、少し間があって、やっと私の頭は状況を理解した模様。
「また明日、学校で。じゃ。」
「う、うん。バイバイ・・・」
ど、どうしよう!もう今晩寝れないかもしれない!
幸福最絶頂!