「・・・なあ、蔵ノ介?ひとつ質問あんねんけど。」
「ん?どないしたん?」
「勉強教えてくれんのは有難いし感謝しとるよ?せやけど、この体制おかしない?明らかにおかしいよなあ。」
「のーぷろぶれむ や。このアングルからでもは十分かわええ。」
「アホっちゃう?ていうか、アホやな。そういう問題ちゃうねん!」
「怒った顔もかわええわ〜・・・!俺欲情してしまいそうや。」
「この体制で良かったかもなー。蔵ノ介の手ぇ近くにあるでこのシャーペンでグサッと・・・」
「すまん、。冗談や!冗談やから刺さんといて!」
さっきから、なんべんか言うとる“この体制”いうのは、アタシが普通に教室の椅子に座っとってその後ろから蔵ノ介が覆いかぶさる感じで抱きついてきとるっていう体制のこと。(端から見たらただのバカップルやん!!)別に嫌ではないんやけど、やっぱ場所ってもんをわきまえて欲しいていうのが本音。だって・・・何か恥ずかしいやん。
いや、元はと言えばやで?アタシがもうじきテストやのに数学ヤバイー言うて蔵ノ介に教えて!って言うたのが原因なんやけど・・・。せやけど、やっぱうちのクラスの前を誰かが通ってくたびにキャーとか言われるのはアタシかて耐えられやん・・・!!
「・・・白石さん何してはるんですか。」
「財前!めっちゃ丁度いいところに!お願い、蔵ノ介を剥がして!」
「さんも大変っすね。こんなのに好かれてはるなんて。」
「ちょ、財前やめろ!俺をから離すなあぁぁぁ!!」
「キモッ!白石さんキモっ!早よさんから離れてください!」
「蔵ノ介ええ加減にしてって!ほら、廊下見てみ?いろんな人にアホやーって目で見られとるやん!てか首絞まる!!」
何とか蔵ノ介を剥がすことに成功し、大人しく隣の席の子の椅子だけ借りてきて隣に座った。そして、保護者(=財前)付きで勉強を再開した。2年の財前からしてみればえらい退屈やったと思うけど、白石さん、何しでかすかわかりませんやん。って言って結局ずっとおってくれた。(蔵ノ介はブーブー言っとったけどな)
「あー・・・俺、自販機行ってジュース買うて来ますわ。先輩等は何かいります?」
「ええの?んじゃ、アタシいちごミルク!」
「俺、普通にコーヒーでええわ。」
お金を財前に渡すと、行ってきます。と言って財前は教室を出て行った。(1回振り向いて、蔵ノ介に注意しとったけど。)その間も私は蔵ノ介に教わりながら数学を勉強していた。
「ー・・・」
「ん?」
「めっちゃ好きー・・・」
「え、ど・・どうしたん?急に・・・。」
「不意打ちやわ。驚いた顔見たくなってん。」
「何それ。んじゃあ、アタシも蔵ノ介ビックリさせたるわ。」
へえ?と言った蔵ノ介にいきなりキスしたった。最初のお返しや!案の定蔵ノ介はめっちゃビックリした顔をしとって、思わず笑てしもた。でも、今思えばそれでもまだ蔵ノ介のが1回多くアタシを驚かしてるよな?やられっぱなしやん!(あれ、もう何の話かわからんくなってきた)あと1回は驚かせたらな。
「先輩、買って来ましたよ。いちごミルクとコーヒー。」
「財前おかえりー。おおきにな。」
「・・・何か白石さんが放心状態なんすけど・・・。何かあったんすか?」
「さあ?ま、ほっとこ。」
「別にいいっすけどね。てか先輩、俺が出てった時から問題進んでへんやないですか。」
「ぅえ、見てたん・・・?」
「まぁ、そりゃあ・・・ね?」
何、この含みのある笑いは。しかも、何が「ね?」や、気色悪い。財前のキャラっちゃうやろー!?(アカン、落ち着け自分!)とりあえず落ち着こうと思っていちごミルクを三分の一くらい一気飲み。冷たいいちごミルクが喉を通っていって、ちょっと火照った体を冷やしてくれた。ちなみに蔵ノ介はまだ放心状態のまま。いい加減気味悪ぅなってきた気がせんでもない。
「蔵ノ介ー。そろそろ戻って来てー。気味悪いで。」
「さん、ほっときましょよ。その方が俺、嬉しいっすわ。」
「へ、嬉しいってどういう・・・」
こと・・・って言おうとしたけど、財前のキレイな顔が近すぎてやめました。はい。人間ってホンマにいざとなると体動かんし、声出やんもんなんやなぁ・・・って何でアタシはこんな冷静に考えてんのや!蔵ノ介ー!戻って来い!!あー、顔近い!
「財前?何してるん?」
「うっわ、タイミング悪っ・・・。」
「なあ、財前。何しようとしとったん?言ってみ?」
「さんにキスしよーとしてました。」
あ、やっぱそうやったんや・・・。てか、蔵ノ介怖い・・・!何かオーラ見えんで!ゴゴゴゴ・・・とかいう効果音聞こえてきそう!ていうか、これがマンガやったら絶対出とるわ、うん。財前もよくあの蔵ノ介を前に平然としてられるな・・・って違う。めっちゃビビッとる。目ぇ合わそうとしてへんもん。とりえあえず落ち着こう。そう思って残りのいちごミルクを一気に飲み干した。
「。」
「ん?」
顔をあげたら今度は蔵ノ介の顔が近くにあって、そのまま唇同士が重なった。そして、そのまんま蔵ノ介の舌がアタシの口の中に侵入してきて。何ていうか息苦しい・・・。蔵ノ介を押してもビクともしやんし。
「あんまっ。めっちゃいちごミルクの味するっ。」
「だ、だってさっき飲んだばっかやもん。」
「見せ付けすぎっすわ、先輩等。俺、お邪魔なんで帰りますわ。そんじゃ。」
「財前!は俺んや!手ぇ出したら許さんでな。」
財前は教室のドア付近で一度立ち止まってこっちを振り返ると、はいはい、とだけ返事をして帰って行った。そしてアタシは蔵ノ介がを言った言葉に不覚にも惚れ直してしまった。(だって、蔵ノ介がめっちゃ真剣な顔して言うから・・・!)さっきの言葉が頭の中でリピートしてる。何となく甘えたくなって、蔵ノ介にもたれてみたら、そのまま抱きしめてくれた。廊下でキャーキャー言う声が聞こえた。
何やかんやでバカップル。
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バカップルです。
そして2009年一発目。
とりあえず、一途な蔵さんを書きたかった、それだけです^^
財前はさんに惚れてるんですが、諦め・・・ついたのかな?←
かわいそうな財前くん。
久しぶりにアトガキを書くと恐ろしいほどグダグダになると実感しました・・・。
2009/01/09 Ten