「よっ!仁王。誕生日おめでと!」


「ありがとな、丸井。」


「仁王先輩!誕生日おめでとうございます!」


「赤也は元気やのう。ありがとな。」




今日は俺の誕生日。正直どうでも良かったんだが、(それに、どっちかと言うと折角土曜日やし、とゆっくりしたかった。)赤也がどうしても、パーティーがしたいと言うたから、今日は俺の家でパーティーをすることになった。家族は気を利かせて、両親は旅行。姉貴は友達の家に泊まりに行った。はを呼ばん訳にはいかんから、テニス部のむさ苦しい野郎の中に1人だけちょこんと座っとる。




「雅治…私、すごーく居づらいんだけど…。」


「すまんのう…。バカな後輩のせいやの。」


「俺っすか!?」


「あー!でも、楽しいよ!すごい楽しい!だから、赤也は気にしないで!」


…俺はどっちかと言えばお前さんとゆっくりしたかったぜよ。」


「えーっと…あ、それはクリスマスで良いよね!」




ならクリスマスは1日中付き合って貰おうかの。まあ、覚悟しときんしゃい。(今日もパーティーの後は帰さんよ?)なんてこと考えとったら幸村からすげえ視線がとんできた。殺される。




「仁王、今何考えてたか言ってごらん?」


「…ピヨッ。」


「あー…俺想像ついたっす…。」


「俺もついたぜぃ。変態詐欺師が。」


、今日は俺達と帰ろうね。」


「えっと…?幸村くん、それはどういう意味?」


「ふふ…。まあ、理由は仁王が1番よくわかってるはずだよね。」




…何とかしてを家に残さなならんのう…。ペテン師の腕の見せ所やの、プリッ!さあて…どうしようか。赤也や丸井は置いといて、問題は真田と幸村じゃ。




「のう、柳生。ちょいと手伝ってくれんか?」




柳生は一瞬迷ったような顔をしたが、俺の言ったことは通じたらしく、渋々…といった感じじゃが頷いた。




「ええ。わかりました。何を手伝えばよろしいでしょうか。」


「そうやの…冷蔵庫にジュースがあるきに、持ってきてくれんか?俺はコップを持ってく。」


「わかりました。」




俺の言ったジュースっちゅうのはのこと。コップっちゅうのは他のメンバーのこと。まあ、つまりじゃ。方面が同じで紳士な柳生にだったら幸村達もを任せるじゃろうってこと。柳生にはをもう1回俺の家に連れて来てもらうっちゅうことじゃ。柳生はちゃんと理解してくれたようやの。




*台所にて




「仁王くん、バレたらどうするつもりですか。」


「バレたらバレたじゃ。まあ、大丈夫やろ。」


「まあ、せっかくのお誕生日ですからね。ある程度お手伝いしますよ。」


「…ピヨッ。」














、ちょっと来てくれんか?」


「わかった。」




にも簡単に説明しとかんとな。は頭が良えから、すぐに理解してくれるはずじゃ。




「…とまあこんな感じじゃ。」


「了解!折角の誕生日だもん。私も一緒にいたいしね。」


「かわええこと言ってくれるのう。」


「…えっと、あ!親に遅くなるって電話しなきゃね。」


「ちょい待ちっ…!」




あー…今、すごい体制やな。何たって、携帯を持って後ろを向いたの腕を下ろしてそのまま抱き着いとる。




「雅治?」


「……泊まってかんか?」


「えっ…、と…。着替えとか持ってないし…。」


「姉貴の借りて平気やから。」


「本当に?」


「あ。こっち向くな!」


「え?何で………雅治、顔赤い。」


「っ……。お前さんのせいじゃ。」




あー…恥ずかしい。(仕返しにキスしてやった。)詐欺師ともあろう奴が赤面するなんてな。まあ、そんだけに惚れとるってことじゃ。




「じゃあ…お言葉に甘えて…。」


「決まりやの。」




そっから、の友達に協力してもらってその友達の家に泊まるっちゅうことにしてもらった。そんで、夜の22:00くらいになり、パーティーはお開きになった。




「さあ、。帰ろうか。」


「あ、うん。じゃあ雅治、またね。」


「あぁ。」


「そうだ、柳生はと家の方面が一緒だったよね。送ってってあげてくれるかい?」


「うむ。柳生ならば安心だな。」


「ま、俺等は反対方面だしな。柳生、を頼むぜぃ。」




作戦は思いの外上手くいったのう。まさか幸村から言い出すなんてな。(というかバレとる気がする)まあ、そうして幸村達は帰って行き、と柳生は幸村達とは反対の方向に歩いて行った。まあ、10分くらいでまた戻ってくるはずやの。




「あー…ニヤける。情けなか。」




そんなことを呟いてから風呂の準備をしている時にチャイムの音。と柳生やの。ドアを開けるとやはり2人の姿。柳生に礼を言って、を家の中に。そして、中へ通すと同時に抱き着いた。




「上手くいったのう。」


「うん。そうだね。」


「多分、幸村にはバレたけどな。」


「えっ…。」


「恐ろしい奴やのーあいつは。」


「…同感。」




そっから特に喋ることもなくて…というか、正直なところ緊張して喋れんかっただけだが…まあ、を抱きしめたまま玄関に立っていた。




「今からどうする?」




先に口を開いたのはで。俺はんー…と考えてから、提案した。




「時間が時間やし、風呂入るか?」


「もう11時だもんね。」


「姉貴の服適当に出しといたから、それ着ときんしゃい。」


「あ、ありがと…。」


「俺はリビングにおるから、先入ってきんしゃい。」


「うん。」




を風呂に案内してからリビングに行き、ドサッとソファーに座った。今晩、を襲わずにいられるかって聞かれたら…微妙。多分無理やの。本人も気付いとると思うがな。




30分くらいでは出てきて、俺も風呂に入った。(まぁ、シャワーだけやけど。)リビングに行くと、雅治が髪おろしてるーって何か知らんけど笑われた。そっからは2人でテレビを観たりしていた。




「うわ、もうじき2時じゃん!」


「そうやの。寝るとするか。」


「うん!」


「俺の部屋来んしゃい。」




部屋に通して、ドアを閉めた。何て言うか…2人きりって状態がヤバイ。またを抱きしめた。




「今日の雅治、やけに甘えるね?」


「プリ。」


「私はそんな雅治も…好き、だよ。」




我慢しろって言われても無理じゃ。にキスをして、そのままベッドに押し倒す。深いキスも今日は受け入れてくれた。(前に1回怒られた)




…。」


「っ………良いよ。」

























「暑っ…」


「ええ運動やったの。」


「…その表現はどうかと思うよ?」


「はは…。おやすみ、。疲れたじゃろ。」


「うん。あと…遅くなっちゃったけど、誕生日おめでとう、雅治。大好きだよ。」


「ありがとな。愛しとうよ、。」




















*オマケ*

〜月曜日〜


「やあ、仁王。土曜日はどうだった?やっぱり我慢できなかっただろ?」


「やっぱ気づいとったか。」


「当たり前だろう?」


「やっぱお前さんは恐ろしい奴やの…。」


「で?どうだったの?」


「あぁ、めちゃくちゃ良かったぜよ。」




(丸井先輩、あの2人…何喋ってんでしょうね?)


(赤也、俺はわかったぜぃ…。)


(土曜日っていうと…あ。俺も気づいちゃったっす…。)


(なあ、赤也。俺、仁王とにどうやって接すれば良い?)


(お、俺に聞かないで下さいよ!)











★HAPPY BIRTHDAY★
Masaharu Nioh